2014年04月11日

XPマシンの隠蔽が推奨される中、早速XP関連トラブルで一部の病院の機能が停止

200px-Windows_XP_wordmark_svg.png◆XP問題でいくつかの病院の機能が停止、高齢者が薬をもらえずに追い返されるケース生じる(薬は後日の速達配送で対応)

 特にニュースにはなっていないですが、Windows XPパソコン関連のトラブルで薬を処方することができず、後日の配送で対応する病院が出始めました。(もちろん、日本の病院です。)

 情報を流せるTwitterのようなSNSを触ったことがないと思われる後期高齢者の方ばかりが通院・入院している病院のためか、(一部の非Windows OS以外のOSのコミュニティを除いては)びっくりするほどネットにも情報が流れておらず、すでに自力でシステムを立て直し終えている病院ばかりなので、たぶん具体的な病院名は書かないほうがよいと思いますが、ともかく怖いことです。

 患者の方から「ウィンドーの何かがどうにかなって、薬が出なかったよ」と言われたので、きっとWindows XP関連のトラブルだと思って私なりに色々と探索したら、やはりそうだったということです。

 この場合に考えられる問題は、主に三つありますね。

(1) XPそのもののトラブル(マルウェアの感染、最後のMicrosoft Updateの失敗)
(2) XPから新OSへのシステム・データの移行や、新OSに基づく院内LAN・ネットワーク構築の失敗(Windows7、8、8.1やUnix系OSへの移行の失敗)
(3) 新OSでの作業への不慣れから来る処方の失敗

 現在のところ、世界的にも(1)はそれほど聞かれていないですし、今回の出来事も(2)や(3)のようです。

 (2)や(3)なら、もはやXPは使っていないわけで、最低限のセキュリティ対策は出来ていることになります。しかし、今後XPを使い続けて、個人情報などもそれで管理するつもりの病院や公共施設は、常に(1)に見舞われる危険性があるわけで、どうするのだろうと思います。

 高齢の患者様のためにも、何とかしてほしいですね。個人情報の流出は、振り込め詐欺の誘発にも関わってきます。

 それにしても、前もってこういうことが起きるだろうと予想してか、サポート終了日の4月9日の二か月くらい前から、XPマシンが大量にある病院の間では、以下の記事と全く同じことが言われていました。なんと、「XPマシンであることの隠蔽の奨励」なのです・・・。

 具体策としては、XP標準の草原の壁紙(”Bliss”)を変えて使うことや、タスクバーを隠すことなどを推奨しています。Unix系・Macユーザーのコミュニティでは、XPユーザーである各病院がこういう恐ろしいことを推奨して回っているという話は以前からありましたが。

【山田祥平のカウントダウンWindows XP】XPを使い続けるとき、配慮してほしいこと
http://www.nikkeibp.co.jp/article/tk/20140224/385041/

 ここに来てIT関連ライターたちも開き直ったのか(?)、公に推奨するようになりましたね。XPであることを隠すことによって患者の精神的負担を和らげるとは、一体どういうつもりだという気がしますが、そういう意識の病院や公共施設が多いのだから、一般の患者さんや利用者はどうしようもないのです。

 隠したところで、OSの能力が変わるわけではないですからね。隠さなくて済むOSにしてほしいです。

 それにしても、「このXP騒動のために、XPを残すか残さないかで周りで口論が起きたり、人間関係が悪化したりする光景を見るのは嫌だなあ」と思いながら、「親切な人のパソコンも横柄な人のパソコンも同じように黙って動作するのはなぜだろう」などと、改めて人間の人間性を上回る人間性を見せるパソコンの立派な性格に感心する日々です。(ふざけて書いているわけではないです・・・。本当にそう思います。)

 パソコン関連の問題で、何が一番嫌かと言えば、人間関係に影響するという点が一番嫌ですね・・・。毎度そうです。どんなに屈強なセキュリティソフトも、一部の人間関係の悪化というマルウェアの感染は防御できないのです。

 それに、改めて思うのは、やはり日本人はスマホへの傾倒とパソコン離れの国民性だなと感じます。スマホの普及率は周辺アジア諸国よりも低いのですが、一つのスマホにインストールしているアプリの数や、ショッピングでの利用率が世界トップです。つまり、ギリギリまでガラケーを買い替えないのに、一度スマホを持つと世界一スマホを使いまくっている国民性というわけです。

 どうしてそうなるのか、私も分からず、社会科学・文化人類学的な観点から見てみれば面白いと思うのですが、少なくとも韓国・台湾・フィリピン・ヴェトナム・タイ・インドネシアなどではそこまで極端ではないですね。こんなにパソコンよりもスマホのゲームに時間を費やしている民族は、アジアでも珍しいです。

世界のスマートフォン利用に関する大規模調査「Our Mobile Planet」の2013年版
http://news.mynavi.jp/news/2013/07/31/137/

 だから、お金に余裕があってもXPを頑なに買い替えないのに、一度7や8、8.1に変えてみると、これは便利だと使いまくるに違いありません。

 でも、今のところは、パソコンよりもスマホの話題には敏感な人が多い一方で、パソコンにはあまり意識が向いていなくて、「XPを使い続けても大丈夫だろう」という人が多い状況だなと感じます。

 そもそも、パソコン(ハードウェア・ソフトウェアを含む)とそれ以外の家電に対して、人々の意識が全然違うのは、どうしてでしょうね。

 パソコン以外の大抵の家電については、例えば一年〜数年の無償サポート期間を超えたら、あとは全てユーザーの責任で、もし壊れたとしても、いきなり家電メーカーに文句を言ったりせずに、まずは「自分が使い方を間違ったり、物理的にどこかにぶつけたりしたかもしれない」と考えるはずです。扇風機が壊れたからと言って、扇風機屋さんやメーカーに無償サポート延長を要求したりしませんよね・・・。

 でも、パソコンとなると、すでに何年もの延長での無償サポート期間を経ているのに、さらに無償で延長サポートを要求している事態です。アナウンサーやキャスターが「XPのサポートをさらに無償で延長すべきである」とコメントしたテレビ局まであります。

 パソコンは元々、デフォルトの状態からさらに自分好みのソフトウェアをインストールしたりハードウェアを接続したりして、自分仕様に仕上げて作っていくものですから、壊れたらなおさら「自分の操作ミス、自己責任」である可能性が高いわけです。

 今回のXP騒動は、結局は、ユビキタス社会に対して日本人という国民性がどう立ち向かっていくかという問題、社会学的な問題としてとらえるべきもので、Microsoft社という一企業のOSのシェア拡大・IT戦略としてだけ終わらせるには、勿体ない話題だと思うのですが、どうなのでしょうね。


【画像出典】

Microsoft Windows XP(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_Windows_XP
posted by 岩崎純一 at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | Microsoft、Windows、Office
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