2014年07月22日

フェリペ・マッサの不調の原因を考える

220px-Felipe_Massa_2008_Canada.jpg 我が贔屓F1ドライバーのフェリペ・マッサの話です。

 カナダGPでペレスと接触しタイヤバリアに激突してリタイア、前回のイギリスGPで単独事故を起こしたライコネンに激突されてリタイア、一昨日のドイツGPでもマグヌッセンと激突しマシンが一回転してリタイア・・・。

 さすがに10年以上もマッサのファンをやっていると、2009年ハンガリーGPでの瀕死の事故以降の運命が違いすぎるので、疫病神でも憑いているのではないかとさえ思えてきます。地元ブラジルのファンや世界中のファンも言っていますが、「誇れるのはファン歴の長さくらいで、不運な事故の数は誇れないね」といったところです。

 F1とW杯の両方を見ていたブラジルのファンは、「疫病神がネイマールに移ったかと思ったら、直後にやっぱりマッサに戻ってきた」と意気消沈のようです。あちらでは、もっと過激なニュアンス(「呪い」などのニュアンス)で言っているのかもしれないですが・・・。

 そして、そんなマッサ自身が、精神的に参ってしまってセラピーに通っていたくらいなので、ファンが一丸となって疫病神を退治するしかなさそうです。マッサ自身は、イタリア移民の子孫ですし、根っからのブラジルのノリをやっている姿は見たことはないですね。しかし、バリチェロと共に大変な愛国者ですけれど。

 日本だと、フェラーリ時代からそうですが、アロンソやライコネンのファンが多いし、私も同僚など周りにF1ファンがいなくて寂しいので、ここは特にブラジルのファンにサンバの勢いで疫病神を吹き飛ばしてほしいところです。

 さて、マッサの事故多発の原因としては、圧倒的に「疫病神が憑いているとしか思えない不運」、つまりは他のマシンやマシンのパーツが勝手にマッサ目がけて飛んできてマッサのマシンやヘルメットに激突、というパターンが多いわけですが、そうでない点を探せないわけではないと思っています。

 やはり10年間見てきて変わっていないと思うマッサの特徴は、ライン取りのラフさと相手マシンの動きへの過信ですね。

 まずライン取りのラフさについて。フェラーリ時代のチームメイトとの比較が一番分かりやすかったですが、アロンソやライコネンはコースをタイトなレーシングライン(理論上の最速ライン)で走行しようとする一方で、マッサはライン取りが相当にラフだというのは感じます。

 特に、コーナーのエイペックスをきっちり通らないという癖がある気がします。ただし、縁石の状態が悪い(縁石が高かったりデコボコだったりする)サーキットでは、ハードタイヤでタイトなライン取りをしすぎた場合、縁石に乗ってジャンプした分だけグリップが消えるので、こういうときは、多少エイペックスを大回りする分だけタイヤを痛めつけないで済むマッサがアロンソやライコネンよりも速いタイムを出しています。

 しかし、マッサのようなドライビングスタイルは、マッサに都合のよい条件がそろったサーキットでしか通用しないことになります。マッサが極端に得意なサーキットは、バーレーン、イスタンブール、インテルラゴス、マニクール、モナコ、バレンシア、シンガポールなどだと言えます。こういった、コーナーのエイペックスを通らなくてもラップタイムへの影響が小さいサーキット(ストレートとコーナーの配置がマッサ好み)か、縁石があまりない市街地サーキットで好成績を出しています。

 そして、これまでの優勝の全てと最速ラップタイムのほとんどを、ブリジストンタイヤで記録していますから、タイヤについても自分のスタイルにピッタリと嵌っていない限り、速く走れていないわけです。

 ちなみに、反時計回りのサーキット(イスタンブール、インテルラゴスなど)で速く、特にポールポジションが多い、という特徴もありますが、これは体の左右の違いから来る癖のようなものだと思います。当然、反時計回りのサーキットでは、左コーナーが多くなるので、左コーナーでの走りがうまいということでしょう。

 例えば、バトンのようなタイプのドライバーは、各サーキットでの臨機応変な対応がうまいわけです。基本的にバトンは、アンダーステア気味のマシンを好みますが、マクラーレンに入ってからは特に、タイトに通った方がよいと思うコーナーは、きっちりとハミルトン並みにタイトなラインを通っていますし、タイヤにもそれ相応のデグラデーションを引き起こしています。

 マッサの場合は、上記の「縁石の状態や、ストレートとコーナーの組み合わせがマッサにとって都合がよいこと」、「できれば左回りサーキットであること」、「自分好みのタイヤであること(ブリジストンタイヤ)」の条件のどれかが外れると、途端に遅くなります。

 それから、相手マシンの動きへの過信。冒頭に挙げた事故だけを見ても、ペレスとの接触とマグヌッセンとの接触に関しては、マッサでなかったら起きていなかった事故である可能性もあると思います。マッサのライン取りが中途半端すぎるために起きた事故でもあると思います。

 マッサは、ペレスやマグヌッセンなどの若手よりはミラーをきちんと見ているのだから、ほんの瞬時の判断で、マシンの脇を締めるか相手のマシンの分だけ空けるか、どちらかにしないと、またノーズを突っ込まれるだけだと思います。

 そういうわけで、「マッサが不調」と言うよりは、「これがマッサの元々のドライビングスタイル」と言ったほうがよいのかもしれません。やはり、「マッサはマッサ」のようです。

 などと色々と書いたものの、結局はこれからも筋金入りのマッサファンであることは変わりないだろうと思う私でした。

 それにしても、F1とW杯を比べてみて不思議に思うのですが、F1ではブラジルのファンの暴動は聞いたことがないですね。ピケJr.のクラッシュゲートのときも、暴動らしきものは起きませんでした。どうしてサッカーばかりが、あんなに血なまぐさいのでしょうか・・・。ネイマールに怪我をさせたコロンビアのスニガに対しては、殺害予告の文句がネット上でも踊っていますが、本当にやめてほしいです。


【画像出典】
フェリペ・マッサ(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%9A%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B5
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