2014年10月07日

ジュール・ビアンキの事故についての続報

 昨日の記事の続き。まだまだ情報は錯綜しているが、いくつか続報もあったし、映像もYouTubeなどで出回ったので、随分まとまってきているようだ。

 現地で日本の観客が撮影したと見られる事故の瞬間映像とその後の救急搬送(搬送開始からサーキット外での搬送中を含む)の映像がYouTubeにいくつか上がっていた。

(動画の紹介記事を本記事の下方にリンク)

 クレーン車の下にビアンキのマシンが滑り込んだという続報が本日もあったが、事故の瞬間映像を見たところ、それが確認できた。まずフロントウィング・ノーズ部分が滑り込み、クレーン車の後部が跳ね上がり、その衝撃でスーティルのマシンが落下していた。

 ビアンキの頭部がクレーン車に直撃した可能性があるようだ。

 事故映像の公開については、やはりFIA(レースディレクターのチャーリー・ホワイティング)・FOMからの公開禁止指示があったとのことである。

 救出作業と救急搬送の映像も見てみたが、コースマーシャルたちが状況を把握できていなかったのか、最初はどうも動きが遅いように見えたし、救急車の到着にも約8分かかっており、過去の海外でのF1の重大事故の処理と比べても多少遅かったので、あとは日本の医療が全力を注いでビアンキを救ってほしいと思ってしまう。(緊急手術が成功したのかどうかについての真実味のあるニュースは、まだないようだ。)

 昨日も、鈴鹿サーキット側には過失がないのではないかと書いたし、基本的にレギュレーション上もそうであると言える上、以下の記事にもあるように、鈴鹿のマーシャルは世界的評価も高い。鈴鹿のマーシャルの皆さんは、今回の事故に懲りずに仕事に誇りを持っていていいと思う。

マーシャルとは? F1用語集
http://formula1-data.com/f1-database/f1-ma/marshal.html

 そしてさらに、競技委員のミカ・サロらによる新たな見解として、事故当時はイエローフラッグが出ていたにもかかわらず、ビアンキが他のマシンよりも高速で走行していたことから、ビアンキがイエローフラッグを見落としていた可能性があるという見解も出ている。

ビアンキの事故を受け、F1日本GPの運営判断に割れる意見
http://www.topnews.jp/2014/10/07/news/f1/117866.html

 事故が起きたコーナーと、その一つ手前の右コーナーは、高速で走るドライバーには逆バンクに感じられる(実際はバンクは付いていない)コーナーだし、特に事故が起きたコーナーは上ってすぐに下るブラインドコーナーでもあるから、ウェット状態ではトラクションがかからず、魔のコーナーになるおそれもあると思う。

 さて、観客が私的に撮影した映像の中で、公式なニュースで言及・リンクされたものを以下に挙げておく。

【動画】 ジュール・ビアンキ、クラッシュの瞬間 ※閲覧注意 →→ すでに削除されている
http://f1-gate.com/bianchi/f1_25235.html

 今現在、観客によって私的に撮影されたと見られる映像は、どんどん削除されている模様だ。

 以下の記事は、同じ映像を紹介しつつ、グリーンフラッグを問題視する内容になっているが、このグリーンフラッグは「この場所以降はグリーンフラッグ(イエローフラッグ解除)、この場所よりも手前ではイエロー」という意味なので、問題はないと思う。

【動画】ビアンキの事故の模様。疑問視されるグリーンフラッグ →→ 上掲の動画と同じ動画が復活
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141008-00000001-fliv-moto

 それにしても、観客が自分のビデオカメラなどで私的に撮影した動画までもが(FOM)Formula One Managementの削除要請を受けているとすれば、やはり少々納得がいかないと感じる。テレビの国際映像を勝手に複製してYouTubeでばらまいている著作権法違反者と、私的な貴重映像をYouTubeで配信しているF1ファンとで、削除要請や罰則に大きな差を付けてもらわないと困るという気はする。

 もちろん、こういう事故映像の場合は、悲惨な映像であるのは確かだし、そんな中でサーキット脇やマシン上の商業広告がきらびやかに映るのが不適切なのは分かってはいるのだが。上掲の動画が削除されている理由も、グリーンフラッグの問題ではなく、商業権・著作権の問題によるものだと思う。

 しかしそうは言っても、東日本大震災の時も、テレビで放映されている映像よりもYouTubeで流れている映像のほうが、ずっと臨場感や真実味があり、かつ命についてより深く考えさせられるものが多かったように思う。
タグ:F1

2014年10月06日

ビアンキの無事を祈り、チェザリスの死を悼む

 昨日のF1日本GPで、単独コースアウトしたザウバーのエイドリアン・スーティルのマシンの撤去作業中だった重機(おそらくクレーン車)に、マルシャのジュール・ビアンキが激突した事故について。

 国際映像ではビアンキの事故の瞬間が映ることはなく、スーティルのスピンとビアンキの事故後の映像しか流れなかったが、FIAが事故映像の使用を禁止したということかもしれない。

 当初のテレビでの放映では、ビアンキが事故を起こし緊急搬送されたという、お知らせ程度のコメントしか聞かれなかったが、海外のテレビ局やF1雑誌からの情報を含む続報によれば、どうやら重機の下にビアンキのマシンが滑り込んだらしい。

 最初はドクターヘリで緊急搬送という情報だったが、結局は視界不良でヘリが飛べず、救急車で三重県立総合医療センターに搬送されたようだ。

 日本での情報はそこまでだし、まだまだ情報は錯綜しているが、海外ではもう少し詳しめのニュースがあるようだ。以下のサイトにも写真が載っている。自身もコースアウトしたばかりのスーティルがビアンキの救出作業を見守る姿や、2009年のハンガリーGPで瀕死の怪我を負ったマッサが心配する姿が印象的だ。

http://www.dailymail.co.uk/news/article-2781081/BREAKING-NEWS-Formula-1-star-seriously-injured-crashing-tractor-race-hit-heavy-rain.html

 ドイツの「Auto Motor und Sport」誌は、ビアンキのマシンが激突した衝撃で、すでに釣り上げられていたスーティルのマシンが落下したと報じている模様である。

 事故を防止できなかった原因については色々な意見があり、「スーティルがクラッシュした段階でセーフティカーを出すべきだったのではないか」、「レッドフラッグ(レース中断)にしてから重機を入れるべきだったのではないか」、「大雨が来ることが分かっていたのだから、レース開始を早めて周回数を少なく終わり、ハーフポイントにすればよかったのではないか」といったものがあった。

 鈴鹿サーキット側の責任を問う声もあったが、レース続行の可否の判断は、おそらくサーキット側とはほとんど関係がなく、FIAから派遣されたレースディレクター(永久スターターのチャーリー・ホワイティングが就任)やスチュワードなどが担う上、実際はタイヤもエクストリームウェザーよりもインターミディエイトで十分な時間帯が多く、過去の雨天のレースと比べても十分にレースができるレベルの雨量だったので、本当にレースを中断すべきかどうか判断が難しかっただろうし、サーキット自体や重機・救急車両・ドクターヘリの配備などにも問題はなかったと思う。

 ただし、元F1ドライバーのオリビエ・パニスの以下の意見は参考になると思う。

「セーフティカーを出動させるか赤旗でレースを止めない限り、トラクターの類はコースに入れないようにするんだ」
「私が懸念するのは、コース上の(各車両)だ。向こうは背が高すぎるし、こっちは地面に寝そべるように座っているんだ」
【引用元】
http://www.topnews.jp/2014/10/07/news/f1/races/japanese-gp/117837.html#sthash.nKn9EKnb.dpuf

 私も、直接の原因は、雨天ではなく、F1マシンと重機の構造・車高の差だと思う。F1マシンがこういった重機の下に滑り込むと、ドライバーの頭がちょうど重機の下方にヒットする位置関係になってしまっている。

 いずれにしても、不運な事故と言うしかない状況に見えた。

 それから、同じく昨日、アンドレア・デ・チェザリスが事故死した。高速道路を日本製の大型オートバイで走行中の事故死とのことで、日本にまつわるF1の不運・不幸が重なって何だか気分が重い。

 今は、三重県立総合医療センターの医療技術を信じて、ビアンキの無事を祈るしかない。
タグ:F1