2014年04月30日

Internet Explorerの脆弱性の件

223px-Internet_Explorer_10_logo.svg.png 昨日ニュースにまでなったIEのセキュリティホールの件ですが、Yahoo!ニュースで「IE」と検索しただけで以下の有り様だし、Microsoft自身が他社製ブラウザへの一時乗り換えを推奨しているくらいですから、今回はよほど深刻と見たのでしょうね。すでにゼロデイアタックの被害が出ている模様です。

http://news.search.yahoo.co.jp/search?fr=top_ga1_sa&ei=UTF-8&p=IE

 しかし、ニュースでも「国内のIEの割合は約5割」と報道していましたが、これは本当のところは分からないというか、大雑把すぎる結果だと思うのです。正しくは、「インターネットに接続可能な国内の全ての端末の約5割」ということだと思います。

 パソコン・モバイル兼用の他のブラウザでは、それぞれのシェアを算出することが多いのですから、IEについても、パソコンでは約8割、タブレットでは約6割、モバイルではほぼゼロ、と分けて言った方がよいですし、その平均をとると約5割だということを同時に言わなければ意味がない気がします。

 もしパソコンだけでIEユーザーが5割しかいないとすると、Windows(98、2000、XP、Vista、7、8、8.1)のユーザーが9割5分もいるのだから、4割以上の日本のWindowsユーザーがパソコン購入後にIE以外のブラウザのインストール・使用と、IEの使用停止またはアンインストールをおこなっている計算になりますが、そんなことは考えられないので、やはり「5割」という割合は、IEのインストールが不可能なモバイル端末を含めた全端末での割合でしょうね。

 それにしても、私は普段はGoogle Chrome、Mozilla Firefox、IEなどを目的別に使い分けていますが、IEが他のブラウザに比べて「目に見えて」劣っている(ユーザーとして不満な)点は、先日挙げたWebGLの対応の遅さなど、あくまでもマークアップ言語やプログラミング言語の観点からの技術的なことで、いくらブラウザの使い分けにこだわりがあっても、セキュリティーホールが「目に見える」わけではない点が厄介です。

 もちろん、どんなブラウザにも一長一短があると思います。Chromeは当初から傘下のGoogle+やYouTubeと同様、個人情報をひたすら抜いているし、Firefoxは、国内の大学・公共施設・図書館システムでの利用が多く、それだけにデータベース経由で情報が漏れやすいし、色々なのです。

 しかし、これらはいずれも、ブラウザの欠陥から起きていることではなくて、ブラウザに搭載された機能そのものによって起きていることですし、その点で、IEの本質的な危険性とはまた別問題だと思います。

 Windows XP騒動との関係を考えると、今回、Windows Vista以降のIE8には修正プログラムが配布される一方で、XPのIE8は放っておかれるわけで、やはりこうやってXPの危険性が今後も増していくのだと思います。
(追記:5月1日、MicrosoftがXPにも特別対応で修正プログラムを配布すると発表しました。)

 ところで、時事通信社には「インターネット・エクスプローラー」と「エクスプローラー」の区別がついていない記者が多数いるのではないかと思います。今回も以下のような記事を出しています。(2014年4月30日現在、文中の表記は修正されましたが、見出しは修正されていません。)

MS製「エクスプローラー」使用回避を=ハッカー攻撃の恐れ―米政府が勧告
時事通信 4月29日(火)2時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140429-00000004-jij-n_ame

 前々から思っているのですが、時事通信社のIT用語の使い方は、IT用語を誤るだけでなくカタカナ書きしてみるなど、かなり特徴的だなと感じます。

 今回の例だと、「インターネット・エクスプローラー」の使用回避ならまだしも可能ですが、ほぼ「エクスプローラー」の使用回避はWindows自体の使用回避ですし、そもそも「エクスプローラー」に脆弱性があったらWindowsが終焉を迎えそうです・・・。

 それから、ゼロディ攻撃などの悪さをするのは、厳密には「クラッカー」であって「ハッカー」ではないのです。しかし、俗語として「ハッカー」とも言いますので、時事通信社だけでなく各テレビ局でも多く用いているようです。

 それにしても、なぜか特に時事通信社においては、IT用語の誤りやこだわりが激しく、その記事タイトルを見てびっくり仰天することが多いので、何だか心臓に悪いです・・・。何とか頑張って修正・統一してほしいです。


【画像出典】

Internet Explorer(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Internet_Explorer

2014年04月25日

Ubuntu 14.04 LTS リリース

Ubuntu_12.04.png Windows XP問題が話題となった4月ももうすぐ終わろうとしているが、そんなXP騒動を横目に、Linux界ではUbuntu 14.04 LTS(開発コードネーム”Trusty Tahr”)がリリースされた。

 私が使用しているのは12.04 LTS(開発コードネーム”Precise Pangolin”)で、2017年までのサポートとなっているものの、もちろん14.04 LTSにアップデートすることも可能ではある。

http://www.ubuntu.com/download/desktop
http://releases.ubuntu.com/14.04/

 しかし、Linuxディストロのリリース直後のインストールは、ある種の「人柱」のようなものだと揶揄されるくらいだし、まずは英語圏・欧米圏の開発者やハードユーザーの新LTSの利用状況とバグの洗い出しの状況を見極めてから、数ヶ月後から一年後くらいにインストールするのがよいと思う。
(Ubuntuの新LTSのリリースに伴い、Kubuntu、Lubuntu、Xubuntu、Ubuntu Studioなどの派生ディストリビューションの新LTSも直後にリリースされる。)

 個人的には、さくらインターネット(サーバー)及び同社が支援しているDebian Projectに一応微々たる金銭的援助をしていることになるので、Debianから袂を分かったUbuntuを無料で追っているのも変な気分だな、とは思うが、民主的・職人集団的なDebianと企業的・トップダウン的なUbuntuとの違いというのは、見ていて面白いと思っている。

 それはともかく、14.04 LTSの「最低限の」要求スペックは以下の通り。でも、文字通り「最低限」で、本当は快適に動かすためには、もうワンランク(いや、ツーランク)上が必要だったりする。

Pentium 4 1GHz
512MB RAM
5GB ストレージ

 今Ubuntuを入れている自分のマシンのスペックは以下の通り。今後もカーネルの規模がこの調子で安定している限り、余裕があると思っている。

Core2 Duo T8100 2.1GHz×2
2.0GB RAM
ストレージは80GBくらいは確保しているので余裕

 Ubuntu Oneが無くなるとのことだが、オンラインストレージは、自分用の有料スペースが何十GBかあるし、相変わらず(Windowsユーザーとのファイル共有がしやすくなければ意味がないという意味でも)OneDriveで十分だし(Dropboxでさえ自分には不要だと感じるし)、おまけに個人情報から企業の機密情報まで何でもオンラインストレージに上げてしまう風潮に抵抗がある体質も相変わらずなので、Ubuntu Oneが無くなったところで全く不便を感じないのが現状である。

 これは以前の記事(以下にリンク)に書いた「PRISM計画」とも関連する。日本のユーザーが上げたオンラインストレージ上のファイルの中身(特に、削除されていないプロパティ・ヘッダー情報など)も、NSAやCIAなどによって読み取られているようである。特に、海外の無料サーバーに上げたデータは、なおさらそうだ。(そもそも、日本のユーザーが無料でデータを上げているサーバーは、多くが海外サーバーだ。)

 そういうわけで、私は基本的には、オンラインストレージと言えば、国内の有料サーバーを利用している。杞憂と言えばそうかもしれないし、特に犯罪に使われるとは限らないにせよ、かなり抵抗があるので避けている。(備えあれば憂いなし!!)

「PRISM計画」について書いた記事
http://iwasaki-j-ict.sblo.jp/article/83596445.html


 そういえば最近、JR東日本が日立などに乗客のSuica乗降履歴を売ったという報道がなされたが(期限内に決められた手続きをすれば、その人の情報は売らない「とされていた」)、表に出るような話は、まだ序の口なのだと思う。個人情報なんて、国内の有名企業によってさえ無断で売買されていると思っておいてちょうど良いくらいだと思う。

 話が脱線したが、ともかく、機能的には今と大差はなさそうだが、Ubuntu 14.04 LTSのLinux カーネルバージョンは3.13なので、いずれアップデートすればこの点での恩恵が受けられるかな、といったところだ。


【画像出典】

Ubuntu(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Ubuntu

2014年04月19日

WebGLによる3DCGについての技術的な話

WebGL_logo.png メインブログでも書いたように、3DCGをSketchfabに載せてみた。(グルグル回したり近づいたり遠ざかったりして遊べる。)

Sketchfabのマイページ
https://sketchfab.com/iwasaki_j

自分の共感覚などを3Dグラフィックスで閲覧・操作可能にしてみました
http://iwasaki-j.sblo.jp/article/93504345.html

(WebGLに対応していないモバイル端末・モバイルOS・モバイルブラウザでは、閲覧・操作ができないか、できても描画処理が遅いことがある。)


◆作業過程の概要

 3DCGの制作からWebGLとしての公開までの手順は、ざっと以下のようになる。

3DCG制作(.blendや.skpなど)
→モデルファイル(.3ds、.obj、.daeなど)とマテリアル・テクスチャファイル(.mtlなど)を作成
→WebGLソースに変換(Three.jsなどのJavaScriptでHTML5内に読み込みを記述)


◆制作過程

 3DCGの制作は、BlenderやSketchUpの最新バージョンを中心に、他のCADソフトを混ぜて使用。共感覚の文字なども、建築設計の要領で「建築」していく、という発想で制作すると面白い。

 ファイル形式が、Blenderは.blend、 SUは.skpなどと違うが、.objファイルや.3dsファイルでやり取りしたり、交換用ファイルフォーマットの.dae(Collada)ファイルでやり取りすればよい。


◆公開過程

 ウェブ上での公開方法には、FlashやJavaなど、いくらでもあるが、閲覧者側で余計なプラグインのいらないWebGLとして公開することにした。

 ただ、WebGLとなると、日本に特有の事情が絡んでくることに・・・。

 日本はInternet Explorerユーザーが多分9割以上を占めているが、IEはバージョン10以前はWebGLに対応していない。つまり、今のところ11のみが対応している。

WebGLのブラウザサポート状況
http://caniuse.com/#search=webgl

 Windows XPやVistaで閲覧する場合は、そもそも11がインストールできないので、古くからWebGL対応済みのGoogle ChromeやFirefoxが必要だ。

 しかし、一番厄介なのは、IE11はWindows 7と8.1には入るが、8には入らないという点だ。OSとブラウザのバージョンの逆転が発生したのはWindows史上初なので、なかなか興味深い。スタートボタン削除問題もそうだが、Microsoftも8は早いところ忘れ去りたいのだろうか。今は、8ユーザーはほとんど8.1に無償アップデートしたとは思うが。

 そもそも、WebGL及びその元となったOpenGLは、Microsoft社にとって自社のSilverlightやDirectXと競合関係にあるので、今後もIEはWebGLに対応しないかと思われた。

 そういうわけで、日本でWebGLによる共感覚3DCGを公開しても、ほとんど意味を成さなかったのだが、いよいよIEも11から対応したということで、公開してみた。

 そうは言っても、IE11が対応したWebGLのバージョンは未だ0.92で、ChromeやFirefoxやOperaはとっくに1.0に対応しているので、もしかしたら、私の3DCGも環境によっては映らなかったりグルグル回したりできない方がいらっしゃるかもしれない。(一応、私のパソコンではどのブラウザでもうまく閲覧・操作可能。)

 Mac OSの場合も、10.6 Snow Leopard以降が必要という制約がある。

 HTMLに関しては、今存在するウェブサイトなるもののほとんどはHTML4.01止まりの記法で書かれていて、そのままHTML5を冒頭で宣言すればほぼHTML5で書いたことになるのではないか(「HTML5で新規に追加された要素を使用していないに過ぎないHTML5文書だ」と言えば済むのではないか)という問題もあるし、HTML4.01にWebGLを混ぜ書きしたとして、ブラウザが対応していれば映るので、多分ほとんど気にされていないと思う。

 それよりも、HTML5からは、HTML自体がいわゆる従来のマークアップ言語ではなくなったということではないかな。それも結局、CSSやjQuery、WebGLがHTMLをそうしたと言ってよいと思うけれど。

140419.jpg さて、長くなったが本題。

 余裕がある場合は、WebGLを一から自作する手もある。一番に考えられるのは、よく使われているThree.jsのリポジトリを以下からDLし、3DCGソフトから書き出した.daeや.blendを読み込んでから操作法(一人称視点など)を記述する方法。これはこれで、やってみると楽しい。(結局、書いているのはJavaScriptそのもの。)

Three.jsリポジトリ
http://threejs.org/

Colladaファイルのエクスポート・インポート方法
https://github.com/mrdoob/three.js/wiki/Using-SketchUp-Models

こんなレッスンサイトもある
http://dotinstall.com/lessons/basic_threejs

 あるいは、3DCGソフトに以下のページなどからプラグインをインストールして、直接WebGLソースを書き出す方法もある。ただ、これだと、後から操作法を好きなように調整しにくい。

http://akitenh.dip.jp/blog/2006/12/sketchup_2.html
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n192606
http://gimpresso.jimdo.com/
https://dl.dropboxusercontent.com/u/105583324/index.html

 Sketchfabを利用すれば、ソースを書く手間が省けるので、便利。今回はこれを使った。(他にも、http://3dfile.io/などの3DCG共有サイトがある。)

 ただ、Sketchfabなどのクラウドストレージに上げる場合、簡単かと思いきや、上げ方に工夫がいるので要注意。最新のBlenderや SketchUpなら、拡張ギャラリーからSketchfabアップ用のプラグインが簡単にインストールできるのだが、インストールが簡単だからと甘く見て使うと、うまくアップできず、苦戦することに・・・。

プラグイン画面には、ソフト内からも到達可能。
http://sketchup.google.com/download/plugins.html

 アップロードした時、テクスチャが表示されなかったり、モデル(頂点・面など)がおかしな表示になったりすることがある。これは、プラグインを使った場合だけでなく、プラグインを使わず、ソフトから.daeで書き出した後、手動でSketchfabのアップロード画面からアップロードした場合にも起きうる。

 こういう時は、ソフトから.objや.3dsで書き出しておいて、同時に書き出された画像ファイルと共に.zipで固めてからアップロードすると、うまく表示される場合が多い。

 現状はそんなところだが、まだまだモデルファイルを軽くできるようなら、軽くして再アップしていきたい。


【画像出典】

WebGL(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/WebGL
posted by 岩崎純一 at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 3DCG

2014年04月11日

XPマシンの隠蔽が推奨される中、早速XP関連トラブルで一部の病院の機能が停止

200px-Windows_XP_wordmark_svg.png◆XP問題でいくつかの病院の機能が停止、高齢者が薬をもらえずに追い返されるケース生じる(薬は後日の速達配送で対応)

 特にニュースにはなっていないですが、Windows XPパソコン関連のトラブルで薬を処方することができず、後日の配送で対応する病院が出始めました。(もちろん、日本の病院です。)

 情報を流せるTwitterのようなSNSを触ったことがないと思われる後期高齢者の方ばかりが通院・入院している病院のためか、(一部の非Windows OS以外のOSのコミュニティを除いては)びっくりするほどネットにも情報が流れておらず、すでに自力でシステムを立て直し終えている病院ばかりなので、たぶん具体的な病院名は書かないほうがよいと思いますが、ともかく怖いことです。

 患者の方から「ウィンドーの何かがどうにかなって、薬が出なかったよ」と言われたので、きっとWindows XP関連のトラブルだと思って私なりに色々と探索したら、やはりそうだったということです。

 この場合に考えられる問題は、主に三つありますね。

(1) XPそのもののトラブル(マルウェアの感染、最後のMicrosoft Updateの失敗)
(2) XPから新OSへのシステム・データの移行や、新OSに基づく院内LAN・ネットワーク構築の失敗(Windows7、8、8.1やUnix系OSへの移行の失敗)
(3) 新OSでの作業への不慣れから来る処方の失敗

 現在のところ、世界的にも(1)はそれほど聞かれていないですし、今回の出来事も(2)や(3)のようです。

 (2)や(3)なら、もはやXPは使っていないわけで、最低限のセキュリティ対策は出来ていることになります。しかし、今後XPを使い続けて、個人情報などもそれで管理するつもりの病院や公共施設は、常に(1)に見舞われる危険性があるわけで、どうするのだろうと思います。

 高齢の患者様のためにも、何とかしてほしいですね。個人情報の流出は、振り込め詐欺の誘発にも関わってきます。

 それにしても、前もってこういうことが起きるだろうと予想してか、サポート終了日の4月9日の二か月くらい前から、XPマシンが大量にある病院の間では、以下の記事と全く同じことが言われていました。なんと、「XPマシンであることの隠蔽の奨励」なのです・・・。

 具体策としては、XP標準の草原の壁紙(”Bliss”)を変えて使うことや、タスクバーを隠すことなどを推奨しています。Unix系・Macユーザーのコミュニティでは、XPユーザーである各病院がこういう恐ろしいことを推奨して回っているという話は以前からありましたが。

【山田祥平のカウントダウンWindows XP】XPを使い続けるとき、配慮してほしいこと
http://www.nikkeibp.co.jp/article/tk/20140224/385041/

 ここに来てIT関連ライターたちも開き直ったのか(?)、公に推奨するようになりましたね。XPであることを隠すことによって患者の精神的負担を和らげるとは、一体どういうつもりだという気がしますが、そういう意識の病院や公共施設が多いのだから、一般の患者さんや利用者はどうしようもないのです。

 隠したところで、OSの能力が変わるわけではないですからね。隠さなくて済むOSにしてほしいです。

 それにしても、「このXP騒動のために、XPを残すか残さないかで周りで口論が起きたり、人間関係が悪化したりする光景を見るのは嫌だなあ」と思いながら、「親切な人のパソコンも横柄な人のパソコンも同じように黙って動作するのはなぜだろう」などと、改めて人間の人間性を上回る人間性を見せるパソコンの立派な性格に感心する日々です。(ふざけて書いているわけではないです・・・。本当にそう思います。)

 パソコン関連の問題で、何が一番嫌かと言えば、人間関係に影響するという点が一番嫌ですね・・・。毎度そうです。どんなに屈強なセキュリティソフトも、一部の人間関係の悪化というマルウェアの感染は防御できないのです。

 それに、改めて思うのは、やはり日本人はスマホへの傾倒とパソコン離れの国民性だなと感じます。スマホの普及率は周辺アジア諸国よりも低いのですが、一つのスマホにインストールしているアプリの数や、ショッピングでの利用率が世界トップです。つまり、ギリギリまでガラケーを買い替えないのに、一度スマホを持つと世界一スマホを使いまくっている国民性というわけです。

 どうしてそうなるのか、私も分からず、社会科学・文化人類学的な観点から見てみれば面白いと思うのですが、少なくとも韓国・台湾・フィリピン・ヴェトナム・タイ・インドネシアなどではそこまで極端ではないですね。こんなにパソコンよりもスマホのゲームに時間を費やしている民族は、アジアでも珍しいです。

世界のスマートフォン利用に関する大規模調査「Our Mobile Planet」の2013年版
http://news.mynavi.jp/news/2013/07/31/137/

 だから、お金に余裕があってもXPを頑なに買い替えないのに、一度7や8、8.1に変えてみると、これは便利だと使いまくるに違いありません。

 でも、今のところは、パソコンよりもスマホの話題には敏感な人が多い一方で、パソコンにはあまり意識が向いていなくて、「XPを使い続けても大丈夫だろう」という人が多い状況だなと感じます。

 そもそも、パソコン(ハードウェア・ソフトウェアを含む)とそれ以外の家電に対して、人々の意識が全然違うのは、どうしてでしょうね。

 パソコン以外の大抵の家電については、例えば一年〜数年の無償サポート期間を超えたら、あとは全てユーザーの責任で、もし壊れたとしても、いきなり家電メーカーに文句を言ったりせずに、まずは「自分が使い方を間違ったり、物理的にどこかにぶつけたりしたかもしれない」と考えるはずです。扇風機が壊れたからと言って、扇風機屋さんやメーカーに無償サポート延長を要求したりしませんよね・・・。

 でも、パソコンとなると、すでに何年もの延長での無償サポート期間を経ているのに、さらに無償で延長サポートを要求している事態です。アナウンサーやキャスターが「XPのサポートをさらに無償で延長すべきである」とコメントしたテレビ局まであります。

 パソコンは元々、デフォルトの状態からさらに自分好みのソフトウェアをインストールしたりハードウェアを接続したりして、自分仕様に仕上げて作っていくものですから、壊れたらなおさら「自分の操作ミス、自己責任」である可能性が高いわけです。

 今回のXP騒動は、結局は、ユビキタス社会に対して日本人という国民性がどう立ち向かっていくかという問題、社会学的な問題としてとらえるべきもので、Microsoft社という一企業のOSのシェア拡大・IT戦略としてだけ終わらせるには、勿体ない話題だと思うのですが、どうなのでしょうね。


【画像出典】

Microsoft Windows XP(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_Windows_XP
posted by 岩崎純一 at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | Microsoft、Windows、Office

2014年04月09日

どうとらえてよいのかよく分からないXP関連のサポート延長情報

200px-Windows_XP_wordmark_svg.png いよいよWindows XPの延長サポートが終了。いくつかサポート延長情報をメモするついでに、感想を書いてみます。


●GoogleがXP用Chromeのサポートを2015年4月まで継続と発表

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1310/17/news038.html

 ブラウザをサポートするだけの話で、OSの脆弱性には無関係なので、意味があるのかどうか・・・。

 日本のXPユーザーは、同時にほとんどがIEユーザーだし、わざわざChromeを入れている人なら、とっくにOSも変えていそうなものですが。

 Googleが実はGoogle+やAnalyticsなどの自社開発のツールを使ってかなりの個人情報を抜いているのと同じで、XPユーザーがどれくらい残り続けるのかをブラウザ経由で偵察する目的もあると思います。XPにChromeを入れているだけで、Googleには情報が飛んでいるわけで。

 あとは、勘ぐるとすれば、Googleは自力でLinuxディストロを開発して社内・社員だけで使用するなどしたり、Chrome OSなどの自社OSも開発していて、OS自体の改変にも相当慣れているし、すでにXPのカーネルについてのある程度の知識・情報を持っている、といったところかな・・・。


●イギリス政府とオランダ政府がMicrosoftとWindows XP延長サポート契約を締結

http://arstechnica.com/information-technology/2014/04/not-dead-yet-dutch-british-governments-pay-to-keep-windows-xp-alive/
http://www.computerweekly.com/news/2240217389/Government-signs-55m-Microsoft-deal-to-extend-Windows-XP-support

 ついに、各国政府までもが一OS企業にお金を積む事態に・・・。実際は、自治体や企業も同じことをしているらしいですが。

 私は個人的には、二回の「さようなら、Windows XP」でも書いたように、今回のXP騒動の目的がMicrosoft社の壟断だけにあるとは考えていないし、これ以上サポートを延長しろと要求するのはさすがにユーザーが傲慢すぎるのではないかと思うのですが、大金を積んだ政府や企業に対しては、言うことを聞きます、というMicrosoftの意志表示なのでしょうか。

 しかし、本当にこれがデマではなくて、お金を積んできた国の政府や企業にだけMicrosoftが手厚い延長サポートを始めたとなると、日本政府や日本の企業、日本の都市銀行(当時、ATMにXPマシンを大量に導入して、いまだに使用中)も早いところ同じこと(Microsoftに頭を下げてお金を摘む)をしないとまずいということになってしまいそうです。

 つまりは、ちょっと眉唾物だなと思ってしまいます。(実際は本気でサポートしない気がします。イギリス政府やオランダ政府が根負けしたか、懇願した感あり・・・。)

 イギリスやオランダが、かつてのMicrosoftによる反トラスト法(アメリカの独禁法)違反のような事態の形成に加担しなければよいのですが。一つのOSの冗長な独占状態を作り上げるのは、OS企業とユーザーとの暗黙の協力に他ならないですからね。

 基本的に、各国の政府や企業が一企業のOSによってたかって金をつぎ込むのは、セキュリティ的にも危なくて、本末転倒ですよね。


【画像出典】

Microsoft Windows XP(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Microsoft_Windows_XP
posted by 岩崎純一 at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | Microsoft、Windows、Office

2014年04月03日

こんな時こそ理研を活用!!


 最近の理研・STAP細胞を巡る問題が大変なことになっていますが、前回・前々回と書いた「さようなら、Windows XP」の記事と、理研の持つ(国費・我々の血税が投入された)屈強なサーバー設備との関連で、一つ書いてみます。
(「さようなら、〜」の記事は、あくまでもWindowsユーザー向けの記事になってしまいました・・・。)

 OSの入れ替えや端末・エミュレータに慣れている場合は、今回のXPのサポート終了に伴い、XP搭載パソコンをBSDやLinuxに書き変えてしまうのも手です。まずは、デュアルブート・マルチブートにして完全に環境構築が確認できてからXPを消すのが、得策だと思います。そのまま空いたパーティションにBSDやLinuxを入れてもよいです。

 仮想マシンを構築するのも手です。ただし、XP上に構築したら意味がないですが。

 さすがは理研、各OS・ディストリビューションの配布は屈強なサーバー環境のもと行われており、DL速度も各種ディストロミラーサイトよりも速いです。

 Windows 7搭載マシンとWindows XP搭載マシンの両方がある場合は、まず7の標準機能でイメージファイルを焼いてからXPマシンに移せるので、7への焼き付けソフトのインストール無しでできます。(ただし、焼き付けの前にmd5・md5sumは確認しましょう。)

●理研のSoftware archives(OS・ディストロ配布)
http://ftp.riken.go.jp/
ftp://ftp.riken.jp/(FTP)

 当然、理化学研究に適したOSのScientific Linuxがドカンと先頭にありますが、DebianやUbuntuも落とせます。私の環境は以下のようなもので、芸術に特化したディストロばかりなので、いずれRed Hat系環境も試してみたいところです。

●私のサイト・コンテンツ制作環境・使用パソコン
http://www.iwasaki-j.sakura.ne.jp/seisaku.html


 あとは、以下が割と屈強なミラーサーバー群です。

●北陸先端科学技術大学院大学
http://ftp.jaist.ac.jp/
ftp://ftp.jaist.ac.jp/(FTP)

●山形大学
http://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/
ftp://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/(FTP)

●KDDI 研究所
http://ftp.kddilabs.jp/
ftp://ftp.kddilabs.jp/(FTP)


【画像出典】

●Debian(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Debian

●Ubuntu(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/Ubuntu